食後30分のごろ寝が肝臓を回復させる
私が子どもの頃、「ごはんを食べてすぐに横になると牛になるよ」と食後にゴロリと寝転んでこんなふうにたしなめられた人がいると思います。
しかし、このごろ寝が肝臓のためにはとても良いことなのです。
肝臓は沈黙の臓器と言われ、ちょっとやそっとの障害では自覚症状が現れてきません。 仮に、現れたとしても、食欲がない、だるいなど他の病気に共通するごくありきたりのものです。
不摂生をすると、てきめんに痛むような臓器なら、いたわろうという自覚も持てるのですが、肝臓はただ黙々と辛抱強く働き続けます。 それだけに肝臓の健康維持はやっかいです。 そのうえ困ったことに肝臓病を起こしても特効薬がありません。
ごろ寝が肝臓に良い理由
一言でいうと肝臓が血液を大量に必要とする臓器だからです。
肝臓の内部には毛細血管がびっしりと張り巡らされていて、そこを通る血液中の栄養素を吸収して、体に必要なものを合成するという大切な役割を果たしています。
ちなみに、肝臓を流れる血液の量は座ると立っている時の2倍、横になると4倍に増加します。 特に食事の後は、胃腸の消化作用に血液がまわされて肝臓の血液が減るのでごろ寝することで、そのマイナス分をカバーする必要があるのです。